アムネスティ日本支部の盗聴法反対声明


1999年7月13日

国際的な人権基準に違反し、自由な市民活動を阻害する盗聴法(通信傍受法)案に反対

組織的犯罪対策3法案の審議が参議院で行なわれている。国際的な人権擁護団体、アムネスティ・インターナショナル日本支部(以下、「アムネスティ」)は、同法案を構成する盗聴法(通信傍受法)案(「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案」)は国際人権基準に違反しており、個人のプライバシー権の侵害をはじめ、通信の自由に対する重大な制約になりかねないと懸念している。また、警察による盗聴が合法化されることは、アムネスティを含み、日本における平和的な市民活動を阻害するおそれがあることを深く憂慮している。

日本政府は、重要な国際人権基準のひとつであり、国内法としての効力を有する「市民的および政治的権利に関する国際規約(自由権規約)」を批准しており、同規約はプライバシー権を定めている(第17条)。それによれば、「すべての人びとは、通信に対して恣意的にもしくは不法に干渉され、または名誉及び信用を不法に攻撃されない」、また「そういった干渉や攻撃に対する法律の保護を受ける権利を有する」とされている。しかしながら、盗聴法(通信傍受法)案は、令状審査の現状や傍受要件の曖昧さ、盗聴記録の管理体制などに照らして、平和的な市民活動、政府への反対運動などに対する保障措置が十分ではなく、プライバシー権を尊重しているとは到底言えない。もとより警察による盗聴を合法化することは、自由権規約と相容れず、国際人権基準に違反することである。とりわけ、情報通信の有力な手段であるインターネットによる通信に関しては、盗聴を制限したり通信を特定する手段がないため、無制限に盗聴が行なわれる懸念がある。また、盗聴の対象となった者が、当該個人に対する盗聴記録にアクセスできるよう保障する措置がないことも、同人が不服申し立てをする権利を著しく阻害することになると考える。

加えて、同法案は、犯罪が実行される前の通信が盗聴される可能性を認めているが、このことは自由権規約が規定する思想、良心および宗教の自由(第18条)、表現の自由(第19条)を侵害する恐れがある。また、同法案には「組織的犯罪」の定義がなされておらず、数人の共謀によって実行される犯罪が対象になると規定されているため、自由権規約に規定されている集会の自由(第21条)、結社の自由(第22条)をも侵害する恐れも指摘できる。今回提案されている警察による盗聴を合法化することは、これらの点においても自由な市民活動を阻害し、不当に制限することにつながる懸念があり、国際人権基準に違反する。

さらに、世界各国の人権状況を日常的に監視しているアムネスティの経験に基づけば、警察や治安当局による監視が日常的に行なわれる社会で、それが間接的・直接的に深刻な人権侵害を引き起こす傾向は顕著である。アムネスティは、国内外のさまざまな情報源との通信を通じて得た情報に基づいて、普遍的価値としての人権、とりわけ精神的自由、身体的自由、並びに生命に対する権利を守り、促進するための活動を行っている。アムネスティを信頼して情報を寄せる人びとが、弱い立場に立たされていることも多い。警察による盗聴が合法化されれば、そうした人びとが、盗聴によって当局に身元が知られることなどを恐れ、人権侵害の事実に関しても自由にものを言えなくなる危険性が高い。同様に、アムネスティをも含めた市民活動がそうした情報を発信する場合にも、盗聴が行なわれる可能性があるような環境では、通信をめぐって市民の間の信頼関係も阻害され、ゆえに市民運動の自由が制限されることにつながる。したがって、アムネスティ日本支部は、警察による盗聴の合法化は自らの活動に対する脅威になりうると認識している。

以上から、アムネスティ・インターナショナル日本支部は、日本政府による盗聴法(通信傍受法)案の提出とその国会審議について、重大な懸念と深い憂慮を表明し、同法案に反対する。

アムネスティ・インターナショナル日本支部


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