国会の組織犯罪対策関連3法案の趣旨説明と質疑-1


 組織犯罪対策関連3法案について、衆議院議長の伊藤宗一郎(当時)代議士、民主党の枝野幸男代議士、国務大臣の下稲葉耕吉(当時)代議士、新党平和の漆原良夫代議士、内閣総理大臣の橋本龍太郎(当時)代議士、衆議院副議長の渡部恒三(当時)代議士、自由党の佐藤茂樹代議士、国務大臣の上杉光弘(当時)代議士により趣旨説明と質疑が行われた1998年5月8日の衆議院本会議議事録が公開された。議事内容は国民の生活に影響を与えると考えられることから、メーリングリストcensorの1998年5月26日に北野桂さんが掲載した議事録の当該部分の抜粋を転載する。また、インターネット上には「日本におけるインターネットの法に基づく傍受」というサイトもある。詳細情報はURL(http://liij.sakichan.org/)または、URL(http://www.jca.apc.org/liij/)で知ることができる。

[全文-1]

平成十年五月八日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十四号
  平成十年五月八日
    午後一時開議
 第一 種苗法案(内閣提出)
 第二 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案(内閣提出)
 第三 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案(内閣提出)
 第四 大規模小売店舗立地法案(内閣提出)    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 種苗法案(内閣提出)
 日程第二 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案(内閣提出)
 日程第四 大規模小売店舗立地法案(内閣提出) 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案(内閣提出)、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案(内閣提出)及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


午後一時四分開議
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。

 日程第一【略】
 日程第二【略】
 日程第三【略】
 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案(内閣提出)
 日程第四
 大規模小売店舗立地法案(内閣提出)【中略】
 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案(内閣提出)、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案(内閣提出)及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(伊藤宗一郎君)
 この際、内閣提出、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。法務大臣下稲葉耕吉君。
〔国務大臣下稲葉耕吉君登壇〕
○国務大臣(下稲葉耕吉君)
 組織的な犯罪に対処するための法整備に関する三法案について、一括してその趣旨を御説明いたします。
 近年、暴力団等による薬物、銃器等の取引や、これらの組織の不正な権益の獲得等を目的とした各種の犯罪のほか、宗教団体信者による大規模な凶悪事犯、法人組織を利用した詐欺商法等の経済犯罪など、組織的な犯罪が少なからず発生しており、我が国の平穏な市民生活を脅かすとともに、健全な社会、経済の維持発展に悪影響を及ぼす状況にあります。
 一方、このような組織的な犯罪の問題については、最近における国際連合の会議や先進国首脳会議等においても最も重要な課題の一つとして継続的に取り上げられており、国際的にも協調した対応が求められ、主要国においては法制度の整備が進んでおります。
 そこで、この三法案は、このような状況を踏まえ、これらの犯罪に適切に対処するため、必要な法整備を図ろうとするものであります。
 まず、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案の要点を申し上げます。
 第一は、組織的な犯罪に関する処罰を強化することであります。
 これは、一定の類型に該当する組織的な殺人、詐欺等の処罰を強化するほか、組織的な殺人の予備罪の処罰の強化等に関する規定を設けるものであります。
 第二は、いわゆるマネーロンダリングの規制等に関するものであります。
 その一は、一定の犯罪行為により得られた犯罪収益等を用いて法人等の事業経営の支配を目的とする行為及びその隠匿等を処罰するほか、その没収及び追徴に関する制度を拡充整備するものであります。
 その二は、疑わしい取引の届け出制度の拡充であり、銀行その他の金融機関等に対し、その取引において収受した財産が犯罪収益である疑いがある場合等に、その届け出を義務づける措置等を定めるものであります。
 その三は、没収及び追徴に関する国際共助手続を整備するものであります。
 次に、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案は、組織的、密行的に行われる殺人、薬物及び銃器の不正取引等の重大な犯罪において、犯人間の連絡等に用いられる電話等の傍受を行わなければ犯人の検挙及び事案の真相解明の目的を達成することが著しく困難な場合が増加する状況に対処するため、犯罪捜査のために強制処分として行う電気通信の傍受に関し、その要件、手続その他必要な事項を定めるものであります。
 この法律案の要点を申し上げます。
 第一は、通信傍受の要件等についてであります。通信の傍受は、その密行的かつ継続的に行われるものであることにかんがみ、対象とする犯罪を一定の重大な犯罪に限定し、他の方法によっては真相の解明が著しく困難な場合に限るなど、従来の強制処分よりさらに厳密な要件、裁判官に対する令状の請求及びその発付の手続等を定めることとしております。
 第二は、傍受の実施に関する手続等についてであります。傍受の実施の適正の確保及び関係者の権利保護を図るため、令状の提示、傍受した通信の記録の取り扱い、通信の当事者に対する通知、不服申し立て等に関する規定を設けることとしております。
 第三は、通信の秘密の尊重等についてであります。制度の運用状況を明らかにするため、これを国会に報告すること等を政府に義務づけるものとし、また、通信の秘密の保護の充実を図るため、捜査等の権限を有する公務員がその職務を行うに当たり犯した電気通信事業法等の通信の秘密侵害罪について、いわゆる付審判請求ができるものとしております。
 次に、刑事訴訟法の一部を改正する法律案の要点を申し上げます。
 第一は、電気通信の傍受に関するものであります。これは、犯罪捜査のために電気通信の傍受を行う強制の処分ができる旨の根拠規定を同法に設けるものであります。
 第二は、証人等の保護に関するものであります。証人またはその親族に対して、脅迫、威迫等が行われることがしばしばあり、これに対する不安があることが証人等として刑事手続に協力することをためらわせ、刑事手続の円滑、適正な実施を妨げる一因となっていることから、証人等の身体または財産への加害行為等の防止を図り、証人等の不安を軽減、除去するため、これらの行為が行われるおそれがある場合に、証人等の住居等が特定される事項についての尋問を制限することができること等の措置を定めるものであります。
 以上が、これらの法律案の趣旨であります。(拍手)


国会の組織犯罪対策関連3法案の趣旨説明と質疑-2
国会の組織犯罪対策関連3法案の趣旨説明と質疑-3
国会の組織犯罪対策関連3法案の趣旨説明と質疑-4
国会の組織犯罪対策関連3法案の趣旨説明と質疑-5
国会の組織犯罪対策関連3法案の趣旨説明と質疑-6
国会の組織犯罪対策関連3法案の趣旨説明と質疑-7
国会の組織犯罪対策関連3法案の趣旨説明と質疑-8
国会の組織犯罪対策関連3法案の趣旨説明と質疑-9
「組織犯罪対策」に反対する刑法学者の声明
フィルタリング・システム
組織的な犯罪に対処するための刑事法の整備について
組織犯罪防止のための法制審議会案
ネットワーク上のプライバシー侵害問題
KES
インターネット上のワイセツ画像摘発
グラスルーツ・ネットワーク
ネオ・ラッダイト運動
盗聴法案
クリッパー・チップ計画
LEAF
Key Escrow
Vチップ
MISTY
DES(Data Encryption Standard)
サイファー・パンク
ネット・ヘイト
鍵供託暗号
秘密情報分散技術
インターネット暴動
連想メモリ
電子ネットワーク協議会
電子ネットワーク協議会のルール&マナー集
倫理問題に係る自主ガイドライン
電子ネットワーク協議会の倫理綱領
倫理綱領とルール&マナー集の要点
EFF
サイバーポン
インターネット
ネチズン
ネット世話役
video vigilante
電子自警団
ブラインド・ファキシング
サイベリア
MUD(Multi User Dungeons)
メガ・キャリア
米国内の通信改革法案
NetNanny
ネチケット
サイバースペース独立宣言
倫理綱領抗議文
「『倫理綱領』に抗議します」
ダイレクト電子メール
ドイツ新テレコミュニケーション法案
MY-ELLTY
電子取引法制に関する研究会
黒いリボン
SafeSurf
SurfWatch
コンピュータ不正アクセス対策基準
コンピュータ緊急対応センター
サイバー・テロ
マッド・サイエンティスト
EPIC(Electronic Privacy Information Center)
カオスインフォガード
フィルタリング機能の検討案
PICS(the Platform for Internet Content Selection)
Safety-Net
RSACi
性とメディア
Cyber Patrol Coporate
自由の疫病
WIPO
WIPOの課題リスト
バーチャル・アイデンティティ
バーチャル・セックス
仮想現実タレント
デザイナー・リアリティ
「組織犯罪対策」に反対する刑法学者の声明
ネットパス
CA
MULTI
暗号技術
メリーランド州のネットハラスメント防止法案
Telecommunications Act of 1996
ワイヤー・タップ
「大阪わいせつリンク」事件について
リンク 猥褻物陳列罪 プロバイダの責任
国際暗号協定
CDA
サイバー法
OECDの暗号政策ガイドライン
Manhattan Cyber Project
個人情報の保護に関するガイドライン
Kids GoGoGo
映画Ratingシステム
インターネット風俗画面研究会
クリントン大統領(当時)のワイセツ情報規制策
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CESA倫理規定
フィルタリング機能の構築
京都・わいせつ画像データ裁判
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FBI長官の不安と願望
NCSA(National Computer Security Association)
情報システム安全対策指針
日本国憲法とマルチメディア
不健全指定を受けた出版物
インターネットの危機
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情報流通ルール-2/必要性
情報流通ルール-3/議論の状況
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情報流通ルール-9/EU
情報流通ルール-10/OECD
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情報流通ルール-12/自己責任の原則
情報流通ルール-13/情報発信への対応
情報流通ルール-14/プロバイダーの責任
情報流通ルール-15/発信者情報の開示
情報流通ルール-16/受信者の選択を可能とする技術的手段
情報流通ルール-17/事後的措置
情報流通ルール-18/脚注1〜25
情報流通ルール-19/まとめ
情報流通ルールに関する意見募集(終了)
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