光造形システム

RP/Rapid Prototyping

試作品造形システム/ラピッド・プロトタイピング

紫外線を照射すると固まる液体樹脂を使って短期間で試作品などを作成するシステムの総称。高速立体成形ともいわれ、3次元の立体データを紫外線レーザーで断面図の順に焼き込んで積層成形する。液体状の樹脂が入った容器の中を、成形する形状にそって複数方向からレーザー光線(レーザー・ビーム)を照射しながら走査(スキャニング)すると、レーザー光線が交差した部分だけが硬化し、液体状の樹脂の中からできあがった成形物が浮かび上がってくる。これは、医療用CTスキャナとちょうど逆の工程といえる。光造形システムはRP&M(Rapid Prototyping & Manufacturing)ともいわれ、工業用の模型(モック・アップ)制作技術として開発された技法だが、CADデータを直接利用できるほか、機械工具では加工できない複雑な形状や自由曲面を簡単に成形することができるので、自動車エンジンの吸気マニホールドや人工関節などエレクトロニクス・機械・医療といった多岐にわたる分野でこれまでの木型やロスト・ワックス(ロウの原形を溶かしてできた空間に金属などを流し込む方法)に代わる成形方法として期待されている。また、この方法を利用した造形作品を発表している芸術家もいる。液体樹脂を使う方法以外には、粉末樹脂をレーザー光線で焼き固める方法などが実用化されている。最近では人間の顔の3D-CGからゲル状のプラスチックをスポンジ状に固め、メーキャップ・ピースを作り、スペシャル・メーキャップ・エフェクトに利用する技術にも利用されている。ハードの時代は終わったといわれるようになっているが、iMacがデザインで爆発的に売れたように携帯電話、パソコンとその周辺機器など、最近ではものすごい勢いで新製品の開発が求められるようになり、プロトタイプ製造分野で活躍する光造形システムの需要もそれに伴い急速に拡大している。光造形システム最大手である米国の3Dシステムズ(3D Systems)社は日本メーカー数社との間で積層技術などの点で特許紛争を起こしているが、1998年にソニーとクロスライセンスを締結し、さらにNTTデータと子会社のNTTデータシーメットも3D Systems社との間で、3D Systems社がアジア太平洋地域のみ同装置の製造・販売権をNTTデータと子会社のNTTデータシーメットに認め、NTTデータと子会社のNTTデータシーメットは3D Systems社に地域を限定しないで製造・販売権を認めるというクロスライセンス契約を1999年1月に締結した。

[光造形システム関連情報]
●3D Systems社のURL(http://www.3dsystems.com/home.asp)
●Georgia Tech - Rapid Prototyping and Manufacturing InstituteのURL(http://rpmi.marc.gatech.edu)
●スタンフォード大学(Stanford University)のRapid Prototyping LaboratoryのURL(http://www-rpl.stanford.edu/)